カーナビが普及して、自動車を運転する際も地図を見る事が減りました。
文明が進み生活が便利になるほど、人間は頭を使う事が減っていきます。
特に、便利さを当たり前として育っていく子供達には
先人の知恵など伝承される事すらなくなってしまうとさえ感じます。
ボーイスカウトはハイキングやキャンプなどの野外活動を行いますが、
子供達にはなるべく昔からある道具を使わせて、
これほど文明が発達していなかった時期に先人が考えた知恵を
伝える機会を多く作っています。
写真は、「
地図とコンパス」です。
ボーイスカウトでは、国土地理院の25,000分の1の
地形図を使用します。
この地形図は、メルカトル図法で正確に作図され、
地図記号も豊富に使用されています。
スカウト達はこの地形図に2センチ毎のマスを記入して使います。
そうする事で、1マス=500m=徒歩8分という目安がつくのと、
地図の中での位置を例えば「011134地点」といった座標で表現し、
現在地や目的地を仲間同士で伝達できるようにしています。
さらに、コンパスを併用した際の利便性のために、
地図上に磁北を示す線を記入しています。
コンパスは「
シルバコンパス」という特殊な方位磁石です。
「シルバ」とは森林の意味ですが、このコンパスに慣れると、
目標地の方位や現在地の割り出しが簡単に行えるだけでなく、
キャンプ地でのサイト内の地図の作成なども出来るようになります。
この地図とコンパスを使いこなせる様になると、
スカウトも一人前の冒険者らしくなってきます。
ですから、ボーイスカウト達がアウトドアで使用する道具の中で、
ナイフと同じくらいこのコンパスは子供達に羨望の道具なのです。
[参考資料]
ターゲットバッジ「読図」履修細目
①地図の種類のうち主なものを3つ以上挙げて、
その特徴と利用方法を説明する。
②16方位と方位角の呼び方を覚え、コンパスで進路を発見する。
③2万5千分の1の地形図を用いて次のことをする。
(1)図上に示された2つの地点の間の ア 方位角 イ 直線距離
ウ 標高差 エ 道路に沿った歩行距離を読む。
(2)真北と磁北の違いを説明する。
(3)500mごとの方眼を正確に書き入れた地形図により、
6けたの座標読みを行い、示された地点に到達する。
④三角点・水準点・標高点・等高点とは何かを知り、
三角点または水準点の標石を発見する。
⑤地形図上に示された10個以上の地形図記号により、
現地の地点・地物を実際に見つける。
⑥目標物から地図上の自分の現在地を発見する。